あなたの隣にいてもいいですか
試合の前に大雅くんは手招きして呼んでくれる。

「今日は来てくれてありがとね。 みんな、バラけちゃってるからちゃんと紹介できないんだけど・・」

りえちゃんと大雅君が話していたら、私の方を見ながら

「茉実ちゃん、誰か気になる人いたら教えて。彼女いないやつなら紹介するからー」

と大雅君が笑いながら言うと、りえちゃんも一緒になって、あの人はー?とか早速言ってる。

サッカーを今もやっているだけあって、皆、細身で動きもしなやかでかっこいい。じゃれあいながら練習してて、今も仲良いのが伝わってくる。皆、大雅君の友達だけあって、雰囲気も良いひとばかりだけど、、

あとで、りえちゃんたちに岸本さんのこと、話そうかな、と思ってたんだ。話す時間、あるのかな。

試合は想像よりレベルが高くて驚いた。相手チームとは何度か試合をしているらしいが強くて有名らしい。また呼んでほしいな、と思うくらい楽しめた。

帰りは大雅君も一緒に帰ることになった。

「みんなと一緒じゃなくて良かったの?」

「何人かは飯行くみたいだけど俺は断ったから。3人で何か食おうよ」

「うん、お腹すいたー。」

車をだして、近くのファミレスに入るとさっきまで一緒だったチームの数人がすでに来ていた。

グランドでは全然話せなかったけど、大雅君が、りえちゃんと私を、友達、と言って紹介してくれた。

皆、高校からの同級生って言ってたよね。大雅君の彼女も、高校からの付き合いって、言ってたよね。。二人の女友達を連れている大雅君を見て皆は何も思わないかな、と心配になる。でも、私からは何も言えないな。

皆とは離れた席に3人で着くと大雅君は早速、あいつとあいつが彼女いなくて、と話始める。

「この前、職場の先輩に声かけてもらって、今度、ウチの部門に出入りしているコンサル会社の人と食事することになったんだ」

「へー!声かけてもらったって?紹介ってこと?」

「うん。仕事の話で、まだ挨拶しかしたことないから。今度、職場の先輩と、その人と3人で食事することになって」

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