あなたの隣にいてもいいですか
水曜日の午後、岸本さん御一考がやってきて打合せが始まった。
経営方針はほぼ固まっているので
具体的な人員配置と育成計画を進めていることになっている。
かなりのスピードで進めていかないと
採用までに時間がないので、これからかなり打合せも多くなりそうだ。
今日は定時で終わりそうだが、今後はもっと遅くなる日もでてくるだとう。

17時半過ぎ、
岸本さんが、席まで来てくれる。
先輩たちとはすでに話がついているらしく
別行動でOKみたいだ。

「食事行ける?」

「はい。10分後には出られます」

「じゃあ、下のカフェで待ってるね」

急いで支度して降りていくと
窓際で、岸本さんがパソコンに向かって作業しているところだった。
もしかしたら、仕事が残ってるのかも。。今日は無理してるのかもしれないと思ったが、目があうと、すぐに片付け、席を立ってくれる。

「仕事、大丈夫?」

「全然大丈夫。
 お腹すいたね。駅のところのイタリアンでどう?」

何だか・・・
切り替えの早い人だな。
さっきまで険しい顔でPCを睨みつけてたのに・・
先ほどの表情が嘘みたいに、今は柔らかい笑みを浮かべている。
頭の回転が速く、噂通り、相当仕事ができる人なんだろう。
きっと仕事中の集中力はすさまじくて
恋愛のことを考える時間は、ないんだろうな・・・

パスタとピザで食事を終えて
ちょっとお茶していきましょう、と
カフェに入る。

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