あなたの隣にいてもいいですか
「茉実さん、
 最初にお会いしたときから、とても素敵な方だと思っていました。僕と、お付き合いしてくれませんか?」

姿勢を正し、まっすぐに私を見つめて
ちゃんと言葉をくれた。
その姿がとても誠実に感じ、純粋にうれしかった。

「私も、岸本さんのこと、素敵で、私には
 もったいないくらいな方だと思ってます。私でよければよろしくお願いします。」

すぐに返事をすると
とてもうれしそうに、顔をくしゃっとさせて笑い嬉しいな、今日から彼氏彼女ね、と言ってテーブルから手を伸ばし、私の手をギュっと握った。

「週末、テーマパーク行かない?」

土日の予定を聞かれ、両方大丈夫だと答えると早速誘われた。

「行きたい!岸本さん、そういうとこ好きですか?何か意外」

「女の子が好きなところって男も大概好きだよ。楽しみ。朝早く行こうね」

また週末会えるんだ。しかもテーマパークでデート!今からウキウキする。

帰り道、岸本さんが私の肩をグイっと引き寄せて

「今日から俺の彼女だから、遠慮しないからね。鎌倉行ったとき、手とか繋ぎたかったけど我慢してたんだー。」

機嫌よく、ニコニコ笑いながら話をしている。

「茉実って呼んでもいい?」

「もちろん。」

「じゃあ、俺のことも、名前で呼んで」

「じゃあ、航生さん」

「うん。じゃあ、週末ね。 楽しみにしてる。」

私の家の最寄りの駅まで送ってくれて
別れるときに、向かい合わせになって両手をとり
ギュっとに握ってくれる。

なんか・・・幸せだなあ。
誠実で、爽やかで、おまけにエリートで。
そんな人がテーマパーク好きとか。
ちょっと可愛いところもあって、ますます良い。
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