あなたの隣にいてもいいですか
今日は久しぶりに平日デート。
北海道旅行のプランを立てる約束をしている。

「小樽においしいお寿司のお店があるって聞いたからそこには絶対行こうね」

「うん!北海道はサーモン、いくらがおいしいそう!」

「サーモンといくら好き?
 昔の彼女も好きだったコいたな。女の子って好きだよね」

・・・まただ。
航生さんは、今までお付き合いした女性が2桁いるとのこと。
1人と長く続かないから、人数が増えるらしい。そのせいなのかどうなのか分からないがたまに、昔の彼女が・・・という話をする。

頭の良い人だから
そういう気づかいはできるはずだと思うのだが、わざとかな?と思うほど、頻度が高い。

例えは、ある女子高の横を車で通ると、ここ、昔の彼女が通ってた、とか。私の好きな作家の話をすると、今までの彼女でこの系統の作家を好む人はいなかった、茉実が初めてだ、とか。

ちらっと聞く限りだと、どの方も、高学歴で私とは違うタイプの方々のようだ。何だか比べられているようで、最初は不快に感じたこともあった。

しかし、学歴は今更だし、そこを比べるなと言っても仕方ないし・・・と悶々と考えたが、結局そこに関しては、事実だし、と諦めてしまった。

だけど、知識の無さを指摘される度に、いたたまれなくなる・・・また、昔の彼女の話を持ち出された方がマシだ、と思うようになってしまった。

「うん。北海道楽しみだね。」

少しだけモヤモヤした気持ちを持て余しながら返事をした。

三泊四日の北海道旅行が楽しみなのには変わりはない。早く航生さんと一緒に行きたい。
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