あなたの隣にいてもいいですか
学歴のこととか、、もう言わないでほしいとは言えなかった。

「でも、茉実はね、全然話題には出さないけど会話の節々に感じることがあるんだよね。ちょっと寂しくなる時もあったぞ」

「ほんと??私の場合、嫌な思い出が多いから口に出すこともしなかったつもりだったのに・・航生さんを寂しくさせること言ってたなんて思わなかった。ごめんなさい」

「前にさ、浮気の話になったとき
『散々浮気されても、最後の時に浮気ばかりしてしまったけど、愛してたのはお前だけだよ、今までありがとう、って言ってくれればそれはそれでいいかな、って思おうとしたこともあった』

 って言ってただろう?それってさ、前の彼氏が浮気ばかりだったけどそれでも茉実は彼のことが好きで忘れられなくてだから、そんなこと言ったのかな、って思ったことがあったんだ。

 茉実がそんなにその人のこと愛してたってわかって。俺に対する愛とどっちが大きいのかな、なんて考えちゃってさ。茉実、最初に浮気だけは嫌だって言ってたから。あの時は不安になったこともあったけど・・・」

そんな話したな・・・
前の彼に浮気のことで揉めていながら進んでいく結婚話に疲れ果ててもう、このまま結婚してしまおうか、と投げやりになったことも確かにあったけど・・でも本気でそう思ったわけでもなかった。そんなことを思い出した時に、ふと話してしまったことだった。

いつも自信満々な航生さんがそんな風に思っていたなんて、意外だ。

「俺、浮気は絶対にしないから。信じてほしい。俺と結婚してくれる?」

改めて、航生さんが言ってくれた。嬉しくて、涙が出そうだった・・・

「はい。よろしくお願いします」

付き合って半年のプロポーズだった。
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