あなたの隣にいてもいいですか
翌週の週末は、航生さんが実家に行ってくる、というので私も両親に航生さんのことを話すことにした。

両親とも喜んでくれて、私が元カレにされたことも、全部知っている両親は心から祝福してくれた。それに、航生さんのエリートぶりにはかなり驚いていたけど今度会うのを楽しみしてる、と言ってくれた。

土日の間、航生さんから連絡がなかった。週末、どちらかに用事があり、会えなかったときは
日曜日の夜には必ず電話をくれた。日曜の遅く、こちらから連絡しようと思ったが何とく・・・しなかった。何か、嫌な予感がした。。

月曜日の夜、今から電話してもいい?と航生さんからメッセージが来ので私からすぐに電話をかける。

「茉実。ごめん。こっちからかけようと思ったのに」

「ううん。全然いいよ。お疲れ様。今帰り?」

「うん・・・。ちょっと疲れたな」

声に元気がない。やっぱり、何かあったのだ。

「昨日、実家に行ってきて、両親に茉実のこと話したんだ。両親に、茉実のこと、反対された」

・・・
私は、ご両親にお会いしたことがない。印象、とか、態度とかそういうことではないのだろう。
私の経歴・・・

「やっぱり、私の学歴、とか。。?」

私はもちろん、東大ではない。航生さんの元カノたちは、東大で知り合った子がほとんどだったらしい。何人か違った子もいたらしいが、それでも一流と呼ばれている私大だったはずだ。

私は私大の二流クラスだ。大手企業には就職できたけど・・・それでもご両親は気に入らないのだろう。

「茉実じゃないんだ。茉実の、ご両親・・・特にお父さん・・・」

父?父がなんだろう。今の父は大手メーカー企業で役員をしている。取締役だ。かなりの役職であるし、私の自慢の父だ。

ただ・・・学歴は、大学中退だ。高卒扱いになるが、就職は、高卒の新卒ではないため中途入社扱いになったとかなんとか、聞いたことがある。

しかし、父の企業も、役員になるには、それこそ東大出身の人がほとんどだそれなのに、父が役員まで出世できたことは、寧ろ、誇らしく思っていたのに・・・
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