あなたの隣にいてもいいですか
「お父さんの、学歴ってこと?」

「うん。」
 
「お父さんの学歴が、私と結婚するのに
 どんな関係があるんだろう・・・」

「子供たちが結婚する、ということは
 親同士も親戚付き合いすることになるから
 話が合わない、とか、言い出してさ。
 ウチの母親も国立でてるから
 相手のお母さんが高卒だと・・とか。

 自分の親がそんなこと言い出すなんて
 信じられなくて、土日、ずっと話したけど
 ダメだの一点張りで。
 昨日は、喧嘩して帰ってきちゃったんだ。」

優しくて、小さいころから、お母さんと喧嘩すると
お父さんが話を聞いてくれた。
お母さんだった、高卒かもしれないけど
読書家だし、英語だって得意だし・・・

ショックだった。
私は、今までどちらかというと
きちんとしたお家のコで、箱入りだ、と言われることが多かった・・・
それが、よりによって
結婚を考えている相手の両親にそんな風に言われるなんて・・・

私が黙ったままでいると

「茉実、本当にごめん。ちゃんと両親説得するから。
 水曜日、夜会える?食事しよう」

航生さんは諦めたわけではないのか。。

会ったとしても、気持ちのいい話にはならないのが分かる。
自分の両親が悪く言われるのを聞くのは正直辛い。

しかし、航生さんが思っているわけでゃないのが
伝わってくるし、
水曜日、会って、航生さんの気持ちも含めて
もう改めて話を聞いてみよう。

水曜日
航生さんは約束の時間より少し遅れてやってきた。
かなり、疲れた様子だ。仕事も忙しいのだろう。

食事をしながら早速その話題になる。
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