あなたの隣にいてもいいですか
しかし、どこまで本当なのかは、もうわからない。
何となく、だけど、両親ではなく、私が気に入らないのだと思う。

だけど、さっき航生さんが言ったとおり、自分の息子が好きになった人を侮辱したくはないから
理由を両親にすり替えて、反対しているのではないか。そんな気がしてしょうがない。

「俺は、茉実と結婚したい。茉実と結婚するのは、親と縁を切って強行しようと思えばできるけどやっぱり、皆に祝福されて結婚したいんだ。
 
 あんな馬鹿なことを言い出す親だけど、俺だって親のことは大事にしたいい。必ず、両親を説得するから待ってほしい。嫌な思いをさせて、本当にごめん」

「わかった・・・私にできることがあれば、言ってほしい」

航生さんに頭を下げられ、私はそう答えたが・・・航生さんはそれでいいのだろうか。反対されて、説得してまで、私と結婚したいのだろうか。

不安になり、色々言ってしまいそうにになったけど、」今はご両親とのやり取りに相当疲れてしまっている様子だ。今、言うべきではないだろう、と、」、その日はそれで別れた。

その週の週末も、航生さんはご実家に行った。日曜日の夜、電話があった。

「相変わらずだったよ。両親の意見はかわらない。お父さんが大学を中退した理由も、いい加減な理由じゃないってことは話したんだけどね。第一、あんな大きな企業の取締役を務めてるんだ。いい加減だったらできないよな」

声がとても疲れている。私まで疲れてしまって、返す言葉がみつからない。
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