あなたの隣にいてもいいですか
料理教室が終わり、航生さんとの出来事をりえちゃんに
聞いてもらった。
自分の両親が悪く思われていることが悲しくて
話しながら泣きそうになってしまった。

「これからどうするの?
 いつまで待つ、とか、具体的に決めてるの?」

「決めてないし、私も、航生さんもいつまで
 頑張れるのかわからない。
 ただ、航生さんは
 両親が反対したままでは、絶対に私と結婚しないって。
 強行手段にはでない、ってはっきり言われた」

「ねえ、茉実ちゃん、本当にいいの?
 私から見たら、茉実ちゃんほどの人が反対されるなんて、
 あり得ないよ。
 それにお父さんの学歴なんて、何の関係もないじゃない。」

「そうだよね。
 多分、だけど、きっと理由は両親じゃないよ。
 私なんだと思う。
 それを理由にすれば、航生さんとの親子関係が悪くなるから
 ご両親も私のことは悪くいわないんだと思うよ。

 航生さんは同じ大学のコとばかり付き合ってたのに
 よりによって私だったから・・・
 W大学や、K大学・・・百歩譲ってS大学 T女大だったら
 よかったのに、って言っいたらしいし。

 私の両親には
 両親自身の学歴より、自分の娘を一流に育てられない両親だ
 って思ってるんじゃないかな」

「嫌だ~、私悔しいよぉ。。何なの?
 茉実ちゃんだったら、うちにお嫁にきてくれてありがとう!
 って感謝されるくらいなのに・・・悲しい・・・」

りえちゃんが、ストローでアイスコーヒーを口にしながら
俯いてしまっている。
私を想い、悔しがってくれて、私を褒めてくれて最高の相談相手だ。

「茉実ちゃん、辛くない?航生さんと一緒にいて楽しい?
 離れた方が、楽に生活できるんじゃない?」
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