あなたの隣にいてもいいですか
今週末は同期の結婚式がある。結婚式の後、航生さんの家に泊まりに行くことになっている。

結婚する同期は、開発部門の研修で一緒になったコで、技術系の大学院をでているので年齢は私より二歳上だ。旦那様になる人は更に二歳年上とのことで、とっても真面目そうな、素敵な「紳士」という感じの人だった。新郎新婦とはあまり話ができなかったけど、他に一緒に出席していた同期とは久しぶりにたくさん話ができた。

結婚式後に4人でお茶をしてた時も、仕事と他の同期の話がほとんどだ。恋愛の話にも少しなったが、私を含めて他の3人とも、全員彼氏持ちだったのでどんな人?結婚の予定は?など、話は尽きなかった。みんな、仕事が忙しそうだ。今の配属先はみんなバラバラだ。私はグループ会社に出向しているため本社の話はとても興味深かった。

皆とまた近いうちに会おうね、次は誰かの結婚式かもね、と言いあいながら解散したのだが国際部で働く由香が路線が一緒だったので駅まで一緒に向かう。

「この後、彼と待合せなんだよね」

「えー、茉実の彼氏、会いたい。コンサル会社なんてすごいね。」

「んー、優秀みたいだよね、彼以外の人達もみんな、本当に仕事できるよ」

「ふふ。優秀なのはいいことじゃん。」

「まあ・・・」

「なに?釣り合わないとでも思ってるの?」

「うん。まさに、今の悩みはそれなんだよね」

「お互いが好きなら問題ないじゃんー。航生さん、茉実のことちゃんと大事にしてれるんでしょ?」

「まあ、ね・・・」

久しぶりに会った由香に、どこまで話していいのかわからず、歯切れが悪くなってしまう。今日一日せっかく楽しく過ごしたのに、重い話はしたくない。

「・・・何かあったら話聞くよ。電話でもメールでもいいから連絡頂戴ね」

お姉さん肌で面倒見も良い由香らしい気遣いに嬉しくなる。

「うん。今度連絡するよ。ゆっくり話そう」
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