あなたの隣にいてもいいですか
駅の改札が見えてくると、すぐ横に背の高い男の人が立っている。航生さんかな、と思い、携帯を確認すると「駅についた」とメッセージがきていた。

「あそこに立っている人が彼だよ。紹介するね」

うん!と由香が微笑む。由香は美人だし、才女だし、自慢の同期だ。それこそ航生さんと釣り合う女性・・・

「航生さん、お待たせしてごめんね。
 
 今日結婚式で一緒だった友達の由香さん。由香、こちらが岸本さん。」

二人を紹介すると、お互い自己紹介して頭を下げあって挨拶をした。

挨拶するとすぐに由香が

「じゃあ、私こっちだから。茉実またね。岸本さんも、お気をつけて」

「由香、またね。連絡する」

「うん。バイバイ」

由香を見送ると、航生さんが

「行こうか」と私の手を引いて歩き出す。

「由香さんは、会社の同期?」

「うん。本社の国際部にいる」

「国際部?すごいね。いずれは海外勤務?」

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