あなたの隣にいてもいいですか
翌週、出社するとすぐに小塚さんとランチにいく約束をした。最近は仕事が立て込んでいたので、お昼の時間もズレてしまい、小塚さんと話すのも、本当に久しぶりだ。

航生さんと別れたことを話すと、とても驚いていた。ただ、最近話してなかったけど、すでに私は覚悟ができていた、と、経緯を話すと、少し安心したようだった。

「今度、旦那さんの職場の男の子紹介するよ。前々から誰かいない?って頼まれてたんだ」

小塚先輩・・相変わらず世話焼きお姉さんだ。決して航生さんのことを引きずっているわけでは
ないけど、今はぽっかり胸に穴が開いたみたいだ。気持ちはありがたいけど、少し時間が必要だ。

「ふふ。ありがとうございます。機会があったらよろしくお願いします」

笑いながら答えると

「冗談抜きで、本当にセッティングするからね」

「じゃあ、そのうち、お願いします」

「うん。じゃあ、そのうちね。
 あと、石田くんも茉実ちゃんと飲みたい、って言ってたよ。サッカー好きのお友達とかも連れてくれば?盛り上がるんじゃやに?」

「あ、いいですね!その友達に石田さんの話したら、石田さんのこと知ってるって言ってました。石田さんって、現役の時はそこそこ有名だったみたいですね」

「うん。そうみたい。引退したの早かったわりにはね。高校のときがすごかったみただよー」

すぐにでも誰か紹介してくれそうな勢いだったら話がそれて、少しホっとした。
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