あなたの隣にいてもいいですか
夜家に帰るとすぐ、大雅君から電話かがかかってきた。

「りえちゃんから聞いたよ。彼女と別れたんだってね。よかった・・ね・・・」

よかったね、と言っていいのかどうか分からず変なテンションで言ってしまった

「よくないよ。結局さ、このままじゃいけないのはわかってたから別れやすい方と別れた」

少し投げやりな口調で、少し辛そうだ。

「選べないんだよ。だから一年以上も二股状態で。彼女と別れるなんて考えたことなかった。高校の時から付き合いだして、ずっと一緒にいたいって思ってたんだ。それなにの、りえと出会って、すぐ好きになって。我慢したのに、りえから好きって言われたらもう抑えがきかなかった。無条件にりえのこと好きなんだ。
彼女はりえのこと知らないから会えないときも、文句も何も言わないんだ。りえは、俺に彼女がいること知ってるから、ここ最近、飲んだ後とかは、泣いたり、帰らなかったりなだめるのが大変で。何度も別れようって言ったんだ。お互い傷つけあうだけだから、もうやめようって何度も、何度も・・ だけど、りえは・・・それでも俺の側にいたいって。
それだけ俺のこと好きでいてくれるってことなんだろうけどもう限界だったんだ。りえと別れることは無理だと思ってしまったんだ。だから彼女と別れた。」

初めて聞く、大雅君の気持ちに何て言葉をかけていいのかわからない。

「彼女に何て言って別れたの?彼女は何て?」

「好きな人ができたから別れたいって言った。わかったって。好きな人って、桑原さん?って聞かれた」

「え?りえちゃんのこと知ってるの?」
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