あなたの隣にいてもいいですか
皆、とってもいい人で、またね、と言って手を振ってくれる。
大雅くんがトイレに行くついでに、とお店の外まで見送りにきてくれた。

「大雅君、もうここでいいよ。皆のところ戻って。」

「駅まで送るよ。」

「何で?りえちゃんや他の皆も心配するから早く席もどって。」

「ここ駅まで少し距離あるからさ。駅まで行くよ」

「大丈夫だよ。いつも一人で帰ってるじゃん。どうしたの?急に過保護で。」

「だって、今までは航生さんがいたじゃん。俺らと会った後待合せしたりしてたし。帰るときとか家につくと、ちゃんと連絡してたでしょ。心配だからさ」

「だから大丈夫だって。こっちこそ、皆盛り上がってるときに抜けちゃってごめんね。空気悪くしてないかな。」

「そんなの気にしないでいいよ。今日だって、りえが結構強引に誘ってたけど、気を遣うのキツかったら、今度から断っていいんだからね。」

「ふふ。楽しかったよ。ありがとね」

「じゃあ、さ。電車乗った時と、家ついたとき連絡して。メールでいいから」

「わかったよ。じゃあ、今日はありがとね。ほんと、楽しかったから。皆によろしくね」

大雅君は、私が知らない人ばかりを相手に気を遣っていたことを気付いていたんだろう。逆に大雅君に気を遣わせてしまって悪かったかな。

りえちゃん、かなり幸せそうだった。大雅君の友達や、友達の彼女たちも皆りえちゃんと仲良くしていて、きっと、大雅君の前の彼女のことも知っている人たちばかりだろうに・・・いい人なんだな。りえちゃんも大雅君もとても楽しそうだった。大雅君との約束どおり、電車の中と
家に着いたときに、メッセージを送っておいた。
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