あなたの隣にいてもいいですか
お風呂から出ると、ちょうど電話が鳴り、大雅君からだった。

「茉実ちゃん、今日はありがとね。」

「今まで飲んでたの?遅いね。」

「でも、もうすぐ家だよ。22時には解散したから」

「りえちゃんと一緒に帰らなかったの?」

「うん。りえね、最近は落ち着いてるんだ。前は、彼女とまだ付き合っているときはさお酒が入ると、いつもりえが駄々こねて大変だったんだけど最近はちゃんと帰るんだよね」

「駄々こねるって?」

「まだ一緒にいたい、とか言って途中の駅まで送るって、ついてくるし、駅までついてもう帰れって言っても家の前まで送る、って言ってついてきて。家まできて、じゃあ、もう帰れって言って逆に俺がまた駅まで送りに行って・・・飲んじゃってるから車出せないしさ。駅前まで来ても、帰りたくないって泣き出して終いには終電なくなっちゃって、帰れなくなったりさ。そんなこと、しょっちゅうだったんだ。
だけど、それって、全部俺のせいじゃん。不安にさせてたのは俺だからさ。りえの気のすむまで付き合うしかなかったんだけど。
そんなことばっかりしてたら彼女だって気付くよね、さすがに。だから彼女のことも傷つけた。」
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