あなたの隣にいてもいいですか
「そういえば、ウチの奥さん、山崎さんと同期だよ。高橋有紀だけど、わかる?」

「わかります!テニスの人ですよね!マジですか?石田さんの奥さんって有紀さん?知らなかった~。びっくり」

全然知らなくてびっくりだ。有紀さんはテニス部入社で飛びぬけた美人だったので同期の中でもかなり有名人だ。確かケガをされて早々にテニスは辞めたと聞いていたがまさか石田さんと結婚していたとは・・・

「石田さん、やりますね。有紀さん美人で有名で。同期の男の子も皆狙ってたんですよ」

「スポーツ入社の若手って、何だかんだでつながりあるからさ。あいつ、ケガでテニスやめて、俺のいた総務に着任してきてさ」

「そうだったんですね。会いたいなー。もうママなんですもんね。何か想像つかないです。そういえば、有紀さん、仕事は?」

「続けてるよ。今は二人目の産休に入ったけどね。また復帰したいって言ってる」

「そうなんですね。そっかー、同期なのに、もう二人目か。。羨ましいな」

「山崎さんは、結婚は?」

「全然です。今は彼氏もいないし」

「そうなんだっけ?小塚さんがいるようなこと言ってたけど・・」

「最近別れちゃったんです。だから、しばらく結婚はないですね」

「そうなんだ・・・じゃあさ、彼氏いないんだったら気兼ねせず遊べるよね。
山崎さんの同期の牧田、山崎さんに会いたがっててさ。今度ウチに遊びにくることになってるから山崎さんもおいでよ。」

「牧田さん!私も会いたいです。でも、牧田さんなら彼氏がいたって別に気兼ねなく会えますよ。誘ってくれてありがとうございます。本当にお邪魔していいんですか?」

喋りながらだと、あっという間についてしまった。石田さんの家を通り過ぎてすぐが私の実家だ。本当に近所だ。

「今日はありがとうございました。有紀さんによろしくお伝えください」

「うん。牧田に予定聞くけど、山崎さんはいつ頃がいい?」

「友達の結婚式で来週旅行に行くのでその後だったらいつでもOKです。牧田さんにもよろしくお伝えください。」

「うん。じゃあ、おやすみ」

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