あなたの隣にいてもいいですか
初めてのハワイ旅行で、みゆきちゃんの結婚式にも参列できるなんて楽しみでしょうがない。お土産リストもしっかり作成して、スケジュールもばっちりだ。

ハワイ到着初日は両親たちと一緒に観光とショッピング。夜はみゆきちゃんたちが宿泊するホテルにお邪魔して翌日の挙式の時間と集合場所を確認することになっている。

夜になり、みゆきちゃんのホテルに行くね、と両親たちと別れ、みゆきちゃんの泊まるホテルの部屋を訪れると、明日着るウエディングドレスが部屋にかけてあった。すっかりテンションの上がる私とは反対にみゆきちゃんが何だか疲れた様子だった。

「みゆきちゃん、体調悪い?大丈夫?」

すると、みゆきちゃんではなく、ご主人の棚橋さんが

「お母さんの友達が今回一緒に来ててさ。みゆきが世話してて、ちょっと疲れちゃったんだよね」

「えー・・・まあ、お母さんたちもハワイ初めてだとわかんないもんね。お姉ちゃんにお母さんたちの面倒頼めないの?」

「ホントだよ。お姉ちゃんがやってくれればいいのにお姉ちゃんも友達一緒にきてて、自分の旦那さんさえほったらかして、速攻遊びに行っちゃったよ」

みゆきちゃんが不貞腐れながら答える。

「ふふ。お姉ちゃんらしいね。何かやることがあるんだったら、私やるよ?お母さんたち、行きたいお店があるとか?」

「ううん。いいの。行きたい場所なんてガイドブック載ってるから見ればいいのに、見るのが面倒で聞いてきてるだけだから」

「そっか。でも、何かあったら言ってね。私もみゆきちゃんの結婚式以外はお母さんと観光と買い物くらいだからさ。お父さんは他の人とゴルフ行くって言ってたから。」

「お母さんって、茉実が結婚式来てくれてる間何してるの?」

「お父さんのゴルフについて行って、クラブハウスで待ってるとか言ってたよ。」

「えー、だったら一緒に来てよ。お母さんも来てくれたらうれしい!」

「いいの?お母さんも喜ぶよ。夜のパーティーの時間にはお父さんもホテルに戻って来るから私一人で出かけても大丈夫だと思うし」

「うん!明日、ホテルの前に来てくれれば送迎するから。お母さんによろしくね。」
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