Snow drop
なぜなら、その男はついこの間繁華街で出会った金払いのいい男だった。
明るい髪色、整った顔に耳にジャラジャラとつくピアス、程よい高さの声。
1度行為を交わした男のことを忘れることは無い。

バレたら厄介だな……。

私はそう思いどうにかここから出ようと考えた。
出入り口はあの男どもに塞がれているし、すぐ横にはレイジが居る。
あいにくこの部屋の窓は開けられない。

まぁ、何とかなるだろう!

と私は持ち前のなんとかなる精神でやりきろうと決めた。

そんな時私のスマホが揺れた。
画面には『 零 』 と表示されており、早く出ろと言わんばかりにスマホは揺れを激しくした。

なんで今かけてくんだよ!!(怒)

大声で叫びたい気持ちをぐっと堪え、私は電話に出た。

『お前、出るのおs』

「また後でね(ブチッ)」

私はそれだけ言って通話を切った。
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