Snow drop
2人はすぐさま動きを止めぎこちなく首を出入口に向ける。

「「お、かえり……」」

「ただいま。で、これは何だ?」

セラは床に散らばったもの達を指差し問う。
静かな中に怒りが見える。

俺を含む4人は沈黙した。
アツミは何も知らないとでも言うように先程の雑誌を読み始め、部屋にはページを巡る紙の音が響いて聞こえた。

数分の沈黙の中口を開いたのはレイジだった。

「僕とミツキが喧嘩して散らかしたの。ごめん……。」

そう言うったレイジは自らの服をぎゅっと握り、目には零れそうな程涙を浮かべていた。
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