Snow drop
そしてゲホゲホと咳き込むレイジの背中を摩り謝った。

「隙あり!!」

そう言い、今度は私を抱きしめるレイジ。
腰の部分に腕が回され少し擽ったい。
そのまま太腿の上に座らされ、ひとつの椅子に2人座ることとなった。

しばらくその腕から抜け出そうと頑張ってみたが、レイジも男。
男の力に敵う訳もなく私はされるがままとなった。

「重くない?レイジ潰れちゃわない?」

「全然。むしろ軽い方だよ?ちゃんとご飯食べてるの?」

「……食べてるよ〜。」

嘘。本当はここ最近まともに食事をとったことがない。
元々食に対する欲が薄く、「1日くらい食べなくても平気」と考えていた。
それから1日、2日……と食べなかった。
気がついた時には身体が食事を受け付けなくなっていた。
今はゼリーや栄養食品などを食べ、何とか生きている。

あ、ゼリー買ってこないと……
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