Snow drop
などと呑気に考えていた私をレイジはじろりと睨んだ。

「本当に?嘘ついてるでしょ?」

そんなことは無いと言ったがレイジに今日の朝食を聞かれ、私は笑顔のまま固まった。

なかなか答えない私を急かし問い詰めるレイジ。
私は観念して白状することにした。

「今日の朝はゼリー食べてきた……。実は私あんまり食べれなくてさ。」

あはは……と笑いながら言う顔を見てレイジは苦い顔をした。
そして腕に力を入れ私の背中に顔をグリグリ押し付けてきた。

「実は、僕もつい最近までまともにご飯食べれなかったんだ。」

2人だけの静かな空間だからこそ聞こえる声量でレイジは乾いた笑いを浮かべる。

「食べたらその分全部吐いたりしてさ、それ繰り返してたら倒れかけちゃって。何回もイツキに怒られちゃった笑」

……ん?

聞き覚えのある名前耳にし、私はぴくりと反応した。
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