Snow drop
どっちも凄いけど、こうも間近でやられるといつか私に当たりそうで怖い
そろそろ降ろして欲しいし"あれ"やるか……

私はそう言って目に涙を溜め、1粒2粒と零す。
幾つか雫が頬をつたった後ミツキがそれに気づき手を止める。

「は?何急に止まって―」

ミツキの視線に追ってレイジも私を見る。
私と目線があった後、元々大きな目をさらに大きく開きそのまま動きを止めた。

「彩月ちゃ……泣いてるの?」

私の鼻を啜る音が響く中レイジが聞いた。
そして私を降ろし、頬の涙を拭った

「ミツキの、パンチ当たるかと思って怖かった……
当たったら死んじゃうんじゃないかって」

大袈裟すぎるか?と思ったが
嘘は言ってないしいいか!とも思っていた私なのである。

「ごめんね、彩月ちゃんに当てないようにすればいいとしか考えてなかった。怖い思いさせて本当にごめんね……」

レイジはすぐ謝ってくれた。

「俺も、周り見れてなかった……ごめん」

ミツキが謝った途端辺りがざわめいた。
どうやらミツキが謝るのは珍しいらしい

謝るのが珍しいってどんなんだよ。
< 65 / 90 >

この作品をシェア

pagetop