Snow drop
「俺らの総長を馬鹿扱いしないでくれない?」

不気味な笑みを浮かべイツキがそう言ってきた。

「……失礼心の声が漏れたみたいです。」

私は咳払いをし謝る。

「あと、誰かと一緒だと落ち着かない。」

私はそのまま続けるように言った。

ここ数年一人で食べることが多かった
何をするにも一人で、私の周りに人なんて集まらなかった。
だから、慣れたんだと思う。1人に

零とご飯に行った時もなんだか気持ちがザワザワし、結局料理が来る前に帰った。あの時以来彼からの誘いは無くなった。

慣れというのは怖い 1度身体が覚えてしまえばそれ以外を受け付けなくなる。自らが望んだとしても
私はまたそうして相手の気持ちを害することをもうしたくない。あの時のような顔をさせたくないのだ……

私は無意識のうちに二の腕を掴む力を強めていたらしく、気がついた時にはシャツにくっきりシワが残っていた。
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