Snow drop
「……っ、あの!!!!!」
急に大声をあげられた私はすぐに手の動きを止めた。
彼の顔を見ると相変わらず赤い顔、そして目元には薄らと涙の膜が張っていた。
「そろそろ、やめて……。」
「わぁぁあ、ごめん!!!本当にごめんね。泣かせるつもりは無かったの(汗)」
初対面とはいえ、やりすぎた……。
私は今更になって自分の行いを悔いた。
「ごめんね。君があまりにも可愛かったから、ちょっと感情を抑えきれなくて……。」
私はそう言いながら彼から距離をとる。
また近づいていたらなにかしてしまうかもしれないと思ったから。
彼は未だに赤い顔を手で扇ぎながら冷ましていた。
「僕の方こそ勝手に寝ててごめんなさい……。」
生えているはずのない耳が垂れ下がったように見えた。
ふわふわのミルクティー色の髪、くりっくりの目、小柄の体型
チワワ等の小型犬のようだ。