Snow drop
何はともあれ助かった事に安堵し、私は彼にお礼を言った。
彼は「どーいたしまして〜」と私に抱きつく。

いつもなら全力で拒否するが
今回は手が塞がっているから拒めなかった、という事にしておこうかな。

「とりあえずこの手どうにかしなきゃね〜」

私の手首を締める物を見ながらそう言ったミツキ

針金か何かあればすぐ取れるんだけどね。
生憎針金なんて持ち合わせているわけない

「ねぇ、針金とか持ってる?」

持ってないだろうと思いながら聞くと案の定ミツキも持っていなかった。
でも代わりになりうる物を貸してくれた。

「これ針金の代わりになる〜?」

そう言って渡してきたのは細めのヘアピン
私は彼に結束バンドの留め具部分にそれを入れるよう指示する。
すると隙間ができ、するすると結束バンドが取れる。
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