Snow drop
「やっと取れた。」
締められた部分は擦れて赤くなっており、ヒリヒリと痛む。
この手じゃ暫く誰とも会えないな……
「この男このまま放っておいて大丈夫?もっと殴っとく?」
そう言うとミツキは傍で蹲る男を指さしながら首をかしげた。
私はゆっくりと男に近づき、脚の間を蹴りあげる。
跳ね上がったと思ったら男は悶絶しながら気絶した。
完全に気絶したことを確認し、零に電話する。
ワンコールで出た零に簡潔に要件を伝え男の回収を頼む。
まぁ、それなりに怒られた。
今回のことは私にも落ち度があったため言われるがままだった。
「うん、ごめん。あとお願い」
まだまだ叱り足りず声を荒らげる零を無視し通話を終了する。