Snow drop
綺麗に巻かれた包帯を見ながら私は自分の軽率な言動に後悔した。
彼の表面しか見ず、たった数回会っただけで彼を知った気でいた

「ごめんなさい 貴方のこと何も知らずに……」

「いいよいいよ〜!それに彩月ちゃんだから打ち明けたんだ」

えっ と顔を上げるとミツキと目が合う。

「俺は彩月ちゃんが好き。だから知って欲しかったんだ」

……は?

「それ冗談じゃないの?」

「え〜〜!俺があんな嘘つくわけないじゃん!心外〜」

口を尖らせて言うその表情に私は思わず吹き出してしまった。

「プッ、アハハハハッ!!w 何その顔面白すぎwww」

私の笑いに釣られミツキも笑いだし、部屋中に笑い声が響き渡る。

「でも、ミツキ何も出来なくないよ。私を助けてくれた。」

「え〜そんなの当たり前だよ〜?」

「当たり前の事ができる人ってそんなに居ないんだよ。それに1発で助けてくれた。あの時のミツキかっこよかったよ」

ありがとう と言いつつ彼の頭を撫でる。
「……あの時って、今はかっこよくないって事?笑笑」

「今はカッコイイってより面白いw」

私がそう言うとミツキは口を尖らせて見せた。
それをまた2人して笑った
彼の笑顔はまるで雨上がりの空のようにキラキラとしていた。
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