闇色のシンデレラ
仕事を終えて、午前7時ごろに帰宅した。


おばさんに3万円を渡して、食器洗いも洗濯もしてなかったことに気がついたから、寝る間もなく作業した。


やってなかったら暴力を振られるからやらなくちゃ。




「あれ、もう帰ってきちゃったの。早くない?
もしかしてその3万円分、援交でもしてきて作ったお金?やだ、きたな〜い。
まあいっか、今日はデートだからこの間買ったワンピース用意して」




すると美花が起きてきて開口一番、気分の悪くなるような言葉を投げかけてきた。



「ふふっ、楽しみ。今日は何買ってもらおうかな。全部お金出してもらおうっと」




自分の男を財布としか思ってない美花の彼氏は少し厄介。


なんせ、美花の言いなりのクセして権力があるから。


美花の男は、父子そろって警察官。


特に注目すべきは父親で、彼は日本にたった40人しかいない警視監(けいしかん)として勤めている。


警視監は警視総監の次に偉い存在だ。


だけどそのお偉いさんの息子は、美花に首ったけのボンクラ。




「んー、おはようお姉ちゃん。実莉も今日デートだから、先に壱華借りていい?」

「いいよ、先に使って」




そして起きて早々わたしを道具としてに扱う実莉。


その彼氏は全国に名を()せる不良グループのナンバー2。


美花の彼氏が警官、実莉の彼氏は暴走族。


お互いにバレたら大変なことになりそう。


なんて考えながら実莉の髪をセットして、おばさん含め3人分の朝食を作って、仮眠を取ってから仕事へ向かった。
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