闇色のシンデレラ
闇色の男
「はあ、はあっ……」
あれから何日過ぎたのか。
わたしはとうとう全てを失った。
実莉はわたしをレイプ犯に仕立て上げるという狡猾な嘘を考えつき、黒帝や傘下の暴走族を味方につけた。
わたしは唯一の光だった理叶と光冴を失い、さらに実莉のデマの影響で3年続けていた仕事もクビになった。
「待て、てめぇ!」
そうして黒帝や傘下の暴走族に追われるようになった。
捕まれば今度こそ殺される。
怖くて怖くて、一昨日だったか、頭には固まった出血の跡を、目の回りに青アザをこしらえたまま交番に駆け込んだ。
必死に状況を説明して保護してもらおうと思ったけど、無駄だった。
真実は美花の男によって情報操作され、警察すら「連絡は入ってるよ。家出でしょ?親御さん呼ぶから待っていなさい」と取り合ってくれない。
だから警察から離れて、繁華街の空き家のひとつにガラスを割って侵入し、身を潜めていた。
ところが今日、黒帝に見つかってしまい───今に至る。