闇色のシンデレラ
元来、といっても5年付き人をしている俺の見識から語るが、若はこれまで弱者に手を差し伸べることなど一切しない人間だった。
むしろ使えないと見込めば容赦なく切り捨てるものだから、側近たちがどれだけ振り回されたことか。
そんな若が、偶然拾った女を自らで世話をすると言ったときは肝を潰した。
さらに驚くべきことに、女にだけは執着しないと思っていたあの人が、初めて執着心を剥き出しにした。
肝心の相手にも驚かされることばかりで、その女は俺よりも、否、俺と比べ物にならないほど早く距離を縮めた。
若頭補佐で実の兄弟である颯馬よりも、親密な関係を築いた。
こうなれば認めるしか他ならず、考えれば彼女に悪いところなど見当たらない。
気にかけなくともいい側近や護衛を労り、あの若を叱ることのできる力量の持ち主。
ごちそうしてもらった飯も申し分なく旨かった。
それに、あの笑顔。
あれは姐さん以上だ。
男なら皆、姐さんの笑みに惚れるが、壱華さんのそれは既に完成されているというか、完璧だ。
とても17歳の娘には見えない。
……何の話をしているのか分からなくなってきたが、とにかく、俺はもう反対はしない。
もう少し、2人の行方を見守って行こうと思う。
むしろ使えないと見込めば容赦なく切り捨てるものだから、側近たちがどれだけ振り回されたことか。
そんな若が、偶然拾った女を自らで世話をすると言ったときは肝を潰した。
さらに驚くべきことに、女にだけは執着しないと思っていたあの人が、初めて執着心を剥き出しにした。
肝心の相手にも驚かされることばかりで、その女は俺よりも、否、俺と比べ物にならないほど早く距離を縮めた。
若頭補佐で実の兄弟である颯馬よりも、親密な関係を築いた。
こうなれば認めるしか他ならず、考えれば彼女に悪いところなど見当たらない。
気にかけなくともいい側近や護衛を労り、あの若を叱ることのできる力量の持ち主。
ごちそうしてもらった飯も申し分なく旨かった。
それに、あの笑顔。
あれは姐さん以上だ。
男なら皆、姐さんの笑みに惚れるが、壱華さんのそれは既に完成されているというか、完璧だ。
とても17歳の娘には見えない。
……何の話をしているのか分からなくなってきたが、とにかく、俺はもう反対はしない。
もう少し、2人の行方を見守って行こうと思う。