闇色のシンデレラ
突然奇声を上げ、こちらに向かって走り出したその男。


男はその目に明らかな殺意を剥き出しにしていた。


そしてそれはわたしに向けられていた。




「……なんだ」




周りが異変に気づいた頃、一定の位置まで来てピタリと止まった男。


それは一瞬の出来事だった。





男は腕を肩の位置までまっすぐ上げると、黒い物体を手に構えた。


事態が飲み込めない。







その男が手にしていたのは——拳銃だった。







「壱華!?」





刹那、放たれた鉄の塊が一直線に襲いかかってきた。


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