闇色のシンデレラ
不気味な夕陽と同じ色の、真っ赤な血。


急に現実に返されて、痛覚が異常な痛みを感じ取った。



「くっ……!?」

「壱華!」



左腕だ。


左の腕が焼けつくように熱くて痛い。


たまらずその箇所に手をやると、ヌルリと生ぬるいものに触れた。


驚いて放すと、手のひらにべっとりとついていたものは——夕陽よりも鮮やかな、血。




「壱華……壱華!」



自分の身に起きたことに衝撃を受け、放心状態に陥る。


そのわたしを呼び続ける志勇の声。


聞こえているのに、返事ができない。


何も考えられない。




「てめえ!どこの鉄砲玉だ!」

「ぐう……!」



浅い息を繰り返し、呆然とするわたしの視界では、銃を所持した男が、数人の組員に取り押さえられていた。


その男の手からもぎ取られ、アスファルトの上を滑るように飛ばされてきた拳銃。


目の前に転がってきたそれは、警官が持っているような小さな拳銃。



わたし、この銃で撃たれたんだ。


わたしの腕はこの凶器によって傷つけられた。


腕を伝い、地面に流れ出した赤い液体は、小さな血だまりを作っていく。



わたし、ここで死ぬの?
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