闇色のシンデレラ
SIDE 颯馬
「兄貴!いい加減にしろよ!ぐぇっ!?」
12月28日。兄貴の誕生日から1日が経過した。
例年通り誕生会と称して本家で飲み明かすつもりだったのに、今年の兄貴は欠席。しかも音信不通。
十中八九壱華ちゃんとラブラブしてるのは想像できたけど、あまりに兄貴が顔を出さないもんだから心配して電話したら、「邪魔すんな」の一点張り。
「でかい声出すんじゃねえよ。壱華が目ぇ覚ますだろうが」
「ご、ごめん。分かったから玄関先で首絞めないでくれる!?
あと目が殺る気まんまんで怖いんだけど!」
「チッ、いっそくたばれ」
で、ムカついて兄貴の家に行った途端、いきなり首を締められるという理解不能な状況。
俺が何をしたってんだよ。