闇色のシンデレラ
「壱華!」



俺は拳銃を握ったままドアを開けた。


しかし壱華は俺の声に反応することはなく、目を見開いて突然立ち止まった。


見ると、辺りには誰のものか分からぬ血があちこちに飛び散り、悲惨な光景が広がっていた。




「壱華、待ってくれ!」



すると後から黒髪の男と赤髪の男が追うように出てきた。潮崎のガキどもだった。


奴らも壱華と同じ反応を示し、立ち尽くしていた。


ところが、銃を手にした男が近づいてくると態度を改め、潮崎のガキが冷静に近づいていく。



どうやら奴は黒帝の顔見知りらしい。


それからしばらく説得を続けているのか、双方の動きが止まったため俺は壱華に近づこうと試みた。



しかし、それは更なる介入により、叶わなくなる。


背後からアスファルトを擦り付けるブレーキ音聞こえたと思うと、黒いワンボックスカーが俺と壱華の間を隔てるように急停車した。
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