闇色のシンデレラ
そいつは荒瀬組を担当するサツで、以前壱華が姉妹に出くわした際に姿を見せた男だった。


佐々木、といったか。


時おり見せる不可解な行動から何かあると思っていたが。


まさか、ここまで猟奇的な手段で乗り込んでくるとは。


これではヤクザのやり方となんら変わりない。


まるで極山のごとき卑劣(ひれつ)さ。



「目的は、分かっているはずでしょう。あなた方もあらかた目星がついているはず」

「……どういうことだ」

「梟と呼ばれる情報屋がとっくの昔に突き止めたとおもっていたのですが」




極山のような……?目星がついている?梟が突き止めた?


俺の考えと、佐々木の言葉が脳内で駆け巡る。


そして編み出された答え。


もし、これが事実ならば、事態はこれまで以上に最悪の一途を辿ることとなる。


俺ははっと顔を上げた。





「てめぇら、極山に魂売ったってのか!」




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