闇色のシンデレラ
「あなたは……?」

「ああ、俺は望月大希(もちづきたいき)や。よろしゅうな」



目が合って戸惑っていると、彼はいきなり満面の笑みを見せた。


太陽みたいに弾けて笑顔だけ見たら悪い人には見えない。


人の見る目がないわたしがいうことじゃないけど、志勇と違って、笑ったら幼く見せる人だと思った。



「望月、さん。ここは……どこですか?」



質問をすると、今度はニヒルに、危険な笑みをつくる望月さん。


今の笑顔と打って変わる表情にゾクリとした。






「ここは、大阪。虎と呼ばれる覇王が根城とする、西雲会の総本家や」





続いてその口から発せられた言葉に、わたしは驚きを隠せなかった。


ここが、本当に西雲会の総本家というのならば。


……まさか、同じ部屋にいるこの男が西の虎『覇王』だというの?
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