闇色のシンデレラ
また次の日、西に来て4日目。



「壱華、問題や」



性懲りもなくわたしの部屋を訪れる覇王。今日は赤星を後ろに連れてきている。



「俺はいくつに見える?」



何を出題するかと思えば、年齢あてクイズを出してきた。


興味無いから無視しようとしたけど。



「なあ、壱華答えてくれへんの?かなんなぁ、せっかく仕事切り上げてきたのに悲しいやん」



この人はめげるという言葉を知らないのかな。


相変わらずのうざったさにもはや関心する。



「なぁ、壱華~……」

「分からないけど精神年齢はかなり低めですよね」

「は?」



だから毒づきながら回答した。いったい何が目的なのか、いい加減はっきりしてほしい。



「……ふっ」



すると、後ろに控えていた赤星がほとんど表情を変えずに吹き出した。



「赤星!何笑っとるんや!」



……この人、表情筋はほとんど使ってないけど、笑うんだ。


予想外の展開に惑わされる。



「いえ、あまりに的確な回答と思いまして」

「あん?この真面目くさった正直もんが!そこはオブラート包まんかい!」



不明なことだらけの覇王は、ツッコミはピカイチらしい。


なんて、こんな情報いらないんだけど。



「ちなみに正解は27やで!壱華とはちょうど10歳差やなあ」




私の思いと裏腹に、少年のような笑みを携え年齢を告白。


……え、おっさんじゃん。そんな歳いってたの?




「ん?なんか言うたか~?」

「い、いいえ。何も」
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