闇色のシンデレラ
SIDE 理叶



『最後に言っておこう、シンデレラ。これは全部お前のせいだ』



違う、壱華のせいじゃない。


俺は永遠と赤い夢にまとわりつかれていた。



俺の腹から、光冴の背中から、流れ出るこの赤はなんだ。


傍らに座る壱華は叫ぶように泣いている。


……なぜ泣く?


俺はそれを声も出せず見ることしかできない。


……どうしてこんなにも、俺は無力なのか。





「……理叶」




いつもここでループするはずのおぞましい夢の途中、懐かしい声がした。


心なしか、体を縛る痛みが和らいだ。



「理叶?」



これは、壱華の声だ。凛とした壱華の優しい声。


この声をたぐり寄せるように、俺は夢を破って覚醒した。
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