闇色のシンデレラ
「簡単に許してもらおうなんて思わない。一生許してもらわなくていい。
ここで謝って、楽になろうと思ってるわけでもない。
ずっと壱華に包み隠さず話したかったんだ。
……本当に、すまなかった」
俺たちがいかにして妹に騙され、どうやって壱華の真実を知り、今まで何を思って生きてきたか、長い長い話が終わった。
壱華は始終、ピクリとも動くことなくそれを聞いていた。
「でも、理叶たちには感謝してるよ」
うつむき加減に聞いていた壱華は、ふと顔を上げて俺と視線を絡ませた。
畏怖を覚えるほどの美しさだったが、この表情を見て胸が締めつけられる。
「だってあの日、黒帝に追われてなかったら、わたしは志勇と出会ってなかった」
それは、壱華が若頭と共にいるときでないと見せない幸せそうな顔、だったからだ。
「志勇に会えたから、今は幸せだよ。もうわたしは大丈夫。
だから理叶、罪を償おうなんて思わないで。
わたしなんかに縛られないで、あなたの好きなように生きて」
ふわりと笑う壱華は、瞳の奥に俺ではなく、あの男を映していた。
嫉妬、後悔、焦燥、安堵───数え切れない感情がまぜこぜになって、胸が苦しくなる。
ああ、やはり俺は、壱華に何もしてやれない無力な男だ。
ここで謝って、楽になろうと思ってるわけでもない。
ずっと壱華に包み隠さず話したかったんだ。
……本当に、すまなかった」
俺たちがいかにして妹に騙され、どうやって壱華の真実を知り、今まで何を思って生きてきたか、長い長い話が終わった。
壱華は始終、ピクリとも動くことなくそれを聞いていた。
「でも、理叶たちには感謝してるよ」
うつむき加減に聞いていた壱華は、ふと顔を上げて俺と視線を絡ませた。
畏怖を覚えるほどの美しさだったが、この表情を見て胸が締めつけられる。
「だってあの日、黒帝に追われてなかったら、わたしは志勇と出会ってなかった」
それは、壱華が若頭と共にいるときでないと見せない幸せそうな顔、だったからだ。
「志勇に会えたから、今は幸せだよ。もうわたしは大丈夫。
だから理叶、罪を償おうなんて思わないで。
わたしなんかに縛られないで、あなたの好きなように生きて」
ふわりと笑う壱華は、瞳の奥に俺ではなく、あの男を映していた。
嫉妬、後悔、焦燥、安堵───数え切れない感情がまぜこぜになって、胸が苦しくなる。
ああ、やはり俺は、壱華に何もしてやれない無力な男だ。