闇色のシンデレラ
「つーか壱華、痩せたろ」

「ふにっ……」



これ以上甘ったるいことを言われたら耐え切れそうにない。


だが、まだ壱華と話していたい。


そこで壱華の顔を片手で挟んで、話題を変換した。



「あんだけちゃんと食えって注意しただろうが」

「でも、頑張ってご飯食べたよ。
痩せないように気につけてたよ。
志勇だって目の下にすごいクマができてるけど?」

「ん……あ?当たり前だろうが。どれだけ……」



しまった。おちょぼ口になって反論する壱華が可愛すぎる。


動揺していることを悟られまいと、いきなり壱華を抱きしめた。




「志勇……?」

「どれだけ……お前の存在を待ち望んでたと思ってんだ」
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