闇色のシンデレラ
「壱華」



本能のままに壱華を押し倒した。


スプリングが軋んで鈍い音を立てる。


キスをしようと顔を近づけると、ふと異変に気がついた。



「見事に全部消えてんな……」

「何が?」

「あ?コレ」

「った……」



不思議そうに首を傾げる壱華の首元に牙を突き立てる。


甘い声が零れて、赤い痕が残って、俺の欲情を掻き立てた。



「身体中にマーキングしてたのにひとつも残ってねえじゃねえか。
なんとなく望月のにおいが移ってるし、気に食わねえ」

「そんなこと言われても……」

「……ふっ、困り顔も可愛い」



アメとムチで攻めると、涙目の壱華は恥ずかしげに頬を赤く染めた。


このまま心の(おもむ)くまま快楽に溺れてしまってもいいが、その前に最終確認をしなくてはならない。



「なあ、壱華」



こんな格好だからこそ語り合えると思い、ベッドに沈めた壱華を抱き起こした。
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