闇色のシンデレラ
左手に通されたのは、プラチナの指輪。


常に輝きを変えるダイヤの装飾に、その両脇には、青色と紫色の宝石が埋め込まれている。


わたしは、嬉しいのか驚いているのか泣きたいのか、とにかく混乱していた。



「……え?」



ろくなリアクションもできないわたしは、ただ指輪と志勇を交互に見る。


志勇はうろたえるわたしに目を細めて、綺麗に、それは優しく微笑んだ。








「なんだよ、ガラスの靴の方がよかったか?」









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