闇色のシンデレラ
ここまで俺の存在を無視されてるってのに、気になって仕方ない。


拒絶されても壱華に触れなければ落ち着かない。


まったく、矛盾してやがる。



手触りのいい長い髪を()くように、壱華の頭をなでる


ビクリと肩が震え、一瞬怯えた表情を見せたが、すぐ無表情に戻る。



笑わない。

泣かない。

俺を見ない。



どうやったらお前は俺を視界に入れる。


何をしたらお前は満足なんだ。


知りたいのに、お前が俺を見ないんじゃ意味がねえだろうが。


いい加減───



「俺を見ろ」



我慢が効かなくなる。
< 69 / 409 >

この作品をシェア

pagetop