闇色のシンデレラ
欲しいものがあるから買い物したいと伝えたら、勢ぞろいでお出かけすることに。



「で、今日は結局何を買うんだ」

「参考書と、調理器具と……今日の夕飯の材料?」



そして黒帝に会わないよう、繁華街から離れたショッピングモールに連れてきてくれた。


ところでわたしの欲しかったものというのは、一番は参考書。


別に体裁を気にするわけじゃないけど、せめて高校卒業程度の資格が欲しくて、秘密裏に試験を受けようと出願していた。


使わなくなった美花の参考書なんかを利用して、自分なりに努力していた。


約1ヶ月間、まったく勉強してなくて不安だけど、8月に試験があるから、残り4ヶ月頑張りたい。



「じゃあ書店から行くか」

「え、でも参考書重たいから、先に軽い物から買わないと」

「そんな気配りすんな。荷物なんて周りに持たせりゃいいんだよ」



すると行き先を決定し、優雅に先導して歩く帝王。



「荷物は適当に、颯馬か剛に持たせとけ。
俺は壱華担当だから手が空かねえんだ」



平然と荷物係を側近に押し付けるあたり、やっぱり若頭である前にお坊ちゃんだと思った。
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