自動車学校殺人事件〜バカなアイツは名探偵〜

お昼頃になり、旬はやっとお昼が食べられるとふうっと息を吐く。今日は久しぶりに食堂で食べることにしていた。新作メニューを作ったと食堂で働く人が言ったので、食べてみようと思ったのだ。

「先生も食堂で食べるんですか？なら、一緒に食べましょうよ！」

模擬の採点で一回に降りてきた美竜が、旬のデスクを見るなりに言う。模擬の教室に教官がいない時には、生徒は一階に降りて採点してもらうのだ。

「どうしてわかったの？」

答案用紙を受け取った旬は驚く。美竜はいたずらっ子のような笑みを浮かべ、言った。

「先生は、普段お昼をデスクの上にこの時間になると置いています。お弁当でもコンビニで買ったおにぎりなどでも置かれています。でも、食べ物が置かれていない時には食堂で食べていますよね」

「……よく見てるね」

その能力をもう少し学科教習等に活用してくれ、と思いながら旬は美竜にひどい点数の回答用紙を返す。

「しっかり復習してね」