自動車学校殺人事件〜バカなアイツは名探偵〜
「志賀さん、一つ確認していい?」

「はい」

「これ、真面目に答えてこの点数なんだよね?」

「はい、そうですよ!」

頭を抱える旬に、美竜は無邪気に笑っている。学科教習を旬は美竜にしたことがあるが、居眠りなどはせず真面目に受けている。となれば、美竜はあまりよくわかっていないのだろうか。

「志賀さん、一つずつ一緒に見直していこうか」

「はい!」

旬は美竜の取り組んでいた問題を取り出し、一つずつ解説していくことにした。美竜はわからないところをわからないままにしているのではないかと思ったからだ。

「まずこれね。「前の車を急かすため、家人に帰宅を知らせるためなど、みだりに警音機を鳴らしてはいけない」。これをどうして間違えるかな?警音器を鳴らすと、人の迷惑になったり、トラブルになったりするから危険な時以外は鳴らしたらいけないんだよ」

旬が苦笑しながら言うと、「ええ〜、でも!!」と美竜は首を傾げながら言う。

「私のお兄ちゃんは、しょっちゅう警音器を鳴らしますよ?クレームが近所から来てもやめません」
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