明日の世界がきみの笑顔で溢れるように。
きみといるだけで、しあわせだって思えて、きみといると、明日が待ち遠しくて、私は小さな頃からきみだけが好きだった。



『俺、アルツハイマーなんだって』


けれど、あの日からきみから笑顔が消えてしまって、私に向けてくれていた笑顔は消えてしまって。


『そのうちなにもできなくなって、みんな離れていくんだろうな』




私は離れたい、なんてこれっぽっちも思わなくて、きみは私のことを考えてくれていたのに、私は自分のことしか考えられなかった。



『私は離れないよ』


私はきみに無責任な言葉をぶつけて、きみをもっともっと傷つけた。ただ言葉にしただけで信じてもらえるほど簡単な問題じゃないのに、適当な言葉を吐いてしまった。




私はひたすらすくない知識を絞って考えていた。

ずっとずっと頭の中はきみばっかりで、どうしたらきみが笑ってくれるのかをひたすら考えていた。
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