独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
フレンチキス
横浜デートを楽しんだ翌日。
待ち合わせ場所である自由が丘駅の改札前で美咲と落ち合い、前から行ってみたいと話していたハワイアンカフェに向かった。
今日も朝から気温がグングン上がっている。連日の暑さにうんざりしながら、額に掻いた汗をハンカチで拭って足を進めた。
ほどなくすると、目的地に到着する。
ヤシの観葉植物が飾られている南国テイストの店内を進み、案内されたソファ席に座ると、出されたお水をクイッと飲んだ。
「プハァ! 生き返る!」
「オヤジみたい」
「そうだね」
まるでビールを飲んだような反応をする美咲にツッコミを入れて笑い合う。そしてメニューを覗き込んだ。
ガーリックシュリンプはおいしそうだけど、今日は夕方から樹先生と会うから避けたいし、ステーキはホテルのルームサービスで食べたばかりだ。
ん~、どうしよう……。
「決まった?」
「あ、うん」
「お願いします!」
美咲が手を上げて店員を呼ぶ。
アレコレ悩んだすえに、私はマグロとアボカドがのったアヒポキセットを、美咲はロコモコセットをオーダーした。
美咲とは先月に会ったばかりだけど、話したいことが山のようにある。でも忘れないうちにと、樹先生が勧めてくれたお菓子を美咲に渡した。