独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
「寝室に行こうか」
樹さんが家に上がり、耳もとに唇を寄せる。
「……はい」
甘いささやきにうなずき、手を引かれて寝室に向かった。
ベッドになだれ込んでむさぼるようにキスを交わすと、樹さんが私を組み敷いたまま腕をクロスさせてシャツを脱いだ。暗がりに浮かぶ割れている腹筋に男らしさを感じて目が離せない。
「ん? なに?」
樹さんが視線に気づき、首をかしげた。
「綺麗だなって思って……」
思ったことを素直に口にすると、長い指がブラウスのボタンに触れた。
「華のほうが綺麗だよ」
ブラウスが全開になり、胸もとに唇が触れる。ブラジャーの肩ひもをずらされ、あらわになった胸にもくちづけが落ちた。
「……んっ」
甘い刺激に耐えられず、短い声をあげる。それでも樹さんの動きは止まらない。
体をすべっていく指と舌の動きに翻弄されているうちに、いつの間にか一糸まとわない姿になっていた。
「華……愛してるよ」
「私も……」
隙間なく唇を重ね合うと、体の奥に鈍い痛みが走った。
痛いのにうれしいなんて、初めて……。
広い背中に腕を回し、思い続けていた人とひとつになれた喜びを噛みしめた。