独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
「これはどうですか?」
おいしい料理を堪能した後に案内されたドレスルームで、樹さんが顔をしかめた。
「胸もとが開きすぎるからダメ」
どうやら、私が選んだビスチェタイプのドレスが気に入らないようだ。
「じゃあ、これは?」
「肩が出すぎ」
次に選んだオフショルダーのドレスの前で腕組みされたら、いい気分ではいられない。
「もう……」
唇を尖らせながら引き続き選んでいると、樹さんが一着のドレスを手に取った。
「華、これなんかどう?」
「あ、かわいい……」
フレンチスリーブのプリンセスラインのドレスに目を奪われてしまう。
「きっと華に似合うよ。着てみて」
「はい」
ドレスを受け取り、ドレッシングルームに向かった。